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パニック症(パニック障がい)になりやすい人の特徴とは?発作が起きたときの対処法を解説

「芸能人がパニック症で休業するニュースをよく見かけるけど、どんな病気なの?」

そう思った経験がある方も多いのではないでしょうか。

パニック発作は、突然に息苦しさや動悸、めまいが起こって、その場から動けなくなり、「死ぬかもしれない」というほどの大きな恐怖を感じる発作です。そんな発作が繰り返し生じることで、生活に支障が出てしまうのです。

パニック発作はパニック症だけで起こるものではなく、うつ病や不安症などでも起こることがありますが、パニック症の中心となる重大な症状です。ここでは、パニック症の原因や症状、発症しやすい方の特徴、発作が起きたときの対処法などを詳しくお伝えします。

(※近年の世界保健機関(WHO)などの診断基準の改訂により、「パニック障がい」は「パニック症」という名称へ移行しつつあります。ここでは「パニック症」に統一しています。)

パニック症の原因

パニック症の原因はまだ明確ではありませんが、過労や睡眠不足、ストレスなどの環境因子や、遺伝因子など様々な影響が示唆されています。恐怖の感情にかかわる扁桃体(へんとうたい)をふくめた脳の回路の異常があり、そこにセロトニンやノルアドレナリン、GABAなどの神経伝達物質(※)やストレスホルモンも関わっているとされています。

※セロトニンの機能不全は不安やうつ症状につながり、ノルアドレナリンの機能不全は血圧や心拍数の変化などに影響します。

これらの神経伝達物質は本来、状況に応じてバランスを保ちながら働いていますが、そのバランスが崩れることが病気に対して影響を及ぼしている可能性が指摘されています。

パニック症の症状

パニック症は、予期できない突然のパニック発作が繰り返し生じ、生活に支障が出ている状態をいいます。発作を繰り返すうちに、パニック発作→予期不安→広場恐怖の併発と症状が悪化していくことも多いです。

パニック発作

パニック症は、以下の症状のうち4つ以上の症状が、状況にかかわらず突然現れます。

  • ・動悸(どうき)、心拍数の増加
  • ・発汗(冷や汗)
  • ・ふるえ
  • ・息切れ感、息苦しさ
  • ・窒息しそうな感じ
  • ・胸の不快感
  • ・吐き気、お腹の不快感
  • ・めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
  • ・寒気や熱感(熱っぽさ)
  • ・感覚の異常
  • ・非現実感
  • ・死ぬかもしれないという恐怖
  • ・気がおかしくなりそうな恐怖

症状は急激に強まり、10分ほどでピークを迎え、個人差はありますが20〜40分ほど続くことがあります。発作が起こるタイミングはストレスな状況に限らず、リラックスしているときにも起こります。パニック発作を起こしても命に別条はありませんが、命の危険を感じるほどの恐怖をともないます。

ちなみに、自宅でリラックスしているときなど、予測できない状況でパニック発作が起こる点が、パニック症のポイントです。もし、閉所など限定された場所だけで発作が起こる場合、厳密にはパニック症とは診断されません。また、心臓や甲状腺の病気が原因で、パニック症と同じような症状が出る場合もあります。気になる症状がありましたら、精神科や心療内科へ相談してみましょう。

予期不安

予期不安とは、「また発作がおきるのではないか」「次はもっと苦しいのではないか」「次こそ本当に死んでしまうのではないか」と不安や恐怖を感じることをいいます。パニック発作を繰り返すほどに不安や恐怖は強くなり、やがて不安のあまり外出を避けるような行動の変化や、広場恐怖症につながることもあります。

広場恐怖症

予期不安が強まると、パニック発作が起きた場合に「逃げられない」「助けを呼べない」「人前で発作を起こすと恥ずかしい」、そのような状況や場所に恐怖を感じるようになります。これを広場恐怖症といい、その恐怖を避けるために、パニック発作が起こりうる状況や場所を避けるようになります(回避行動)。

具体的には、飛行機や電車などの公共交通機関、エレベーターや映画館などの閉鎖された空間、人ごみのなかなど、恐怖を感じる対象は人それぞれです。広場恐怖症を発症すると日常の行動範囲は徐々に狭まります。悪化すれば外出そのものが困難となり引きこもってしまうケースもあるため、早急な治療が必要です。

パニック発作が起きたときの対処法

パニック発作を起こしたときは、まずは呼吸がしやすい楽な姿勢を取り、できるだけゆっくりと呼吸をして発作が落ち着くのを待ちます。3〜5秒かけて息をはき、3秒かけて息を吸う呼吸法を5分間ほど続けてみましょう。特に、息をゆっくり吐くことを意識してください。(以前はペーバーバッグ法という、ふくらんだ紙袋を口にあてて吐いた息をまた吸うという方法がありましたが、近年は効果や安全性の問題等からあまり推められていません。)

また、発作の症状から意識をそらすことも有効です。例えば、動悸(どうき)がしているとき、どうしてもその症状に意識が向いてしまいます。意識すればするほど、その症状がひどくなる感覚を覚えます。そこで、「数を数える」「歌を口ずさむ」「何かを食べる」などして、症状から意識をそらします。ご自身に合った意識のそらし方を探してみましょう。

また、もし精神科や心療内科で発作が起きたときの薬をもらっている場合は、それを服用して安静にするというのも効果的です。

パニック症になりやすい人の特徴

もともとの性格(病前性格)として、まじめで几帳面、責任感が強い、心配性、良心的でやさしい、依存的で従順、ストレスをため込みやすいといった傾向があると、パニック症を発症しやすいといわれています。

年齢層では、10代から発症する人が出はじめ、働き盛りの20代~30代に多く、なかでも女性のほうが2〜3倍も発症しやすいという報告があります。

パニック症を抱える方が就労する際に心がけたいこと

パニック症を抱えて働くことに対して、「人に迷惑をかけるのではないか」「きちんと働けるのか」といった不安を抱える方もいるかもしれません。パニック症の症状を少しでも和らげるために、以下のことを心がけてみましょう。

  • ・十分な睡眠をとる
  • ・通勤方法を工夫する
  • ・無理せず休む
  • ・職場の理解を得る
  • ・転職する

それぞれ詳しく解説します。

十分な睡眠をとる

過労や睡眠不足などの身体的ストレスは、パニック発作のきっかけになったり、症状を悪化させたりする可能性があります。規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保しましょう。

通勤方法を工夫する

パニック症を発症すると、電車やバスに乗ることを怖いと感じる場合が少なくありません。「乗降口の近くに立つ」「快速ではなく各駅停車の乗る」など、症状がでたときにすぐにその場から離れられるようにしておくと、不安を和らげることができます。

無理せず休む

パニック症のある方は、まじめで責任感が強い性格の方が多いといわれています。そのような性格の方は、ストレスや疲労をためこんでしまう傾向にあります。心身の不調はパニック症の症状を悪化させてしまうため、不調を感じたときは無理をせず休みをとりましょう。

職場の理解を得る

パニック症であることを公表して職場の理解や協力を得ることも、障がいと付き合う上で大変有効な手段となる場合があります。配慮により職場環境が整えば、パニック症とうまく付き合いながら働くことができるでしょう。公表するかどうか悩む場合は、信頼できる上司や仲間などに相談してみましょう。

転職する

職場や業務そのものが大きなストレスとなっている場合、また公表したものの職場の理解が得られず職場に居づらくなる、周囲とギクシャクしてしまうような場合、転職という選択肢もあります。障がいに理解のある会社や、無理のないペースでできる仕事など、いまのご自身が「どんな職場で働きたいのか」「どんな仕事なら働き続けられるのか」を一度立ち止まって考えてみることも大切です。

パニック症を抱える方が転職するときに利用できる機関

転職を検討された際は、以下のようなサービスや支援機関を利用するとよいでしょう。

  • ・障がいのある方のための転職サイト
  • ・ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどの公的機関
  • ・就労支援事業所

それぞれ詳しく見ていきましょう。

障がいのある方のための転職サイト

専門のキャリアアドバイザーが求職活動から入社後まで手厚くサポートしてくれます。就労移行支援事業所と連携をとって支援サービスをおこなうケースもあります。

ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどの公的機関

専門の職員が配置されており、相談はもちろん関係機関と連携した支援サービスを幅広く提供しています。

就労支援事業所

就労を目指す障がいのある方を対象に、職業訓練プログラムなど就職に関する支援を幅広く実施しています。就労支援事業所では、下記のような福祉サービスを提供しており、ご本人に合った福祉サービスを選ぶことが可能です。

不安や困りごとは一人で抱え込まず、ご自身に合ったサービスや支援機関を積極的に利用しましょう。

  • ・就労移行支援
  • ・就労継続支援A型
  • ・就労継続支援B型
  • ・就労定着支援

それぞれ詳しく見ていきましょう。

就労移行支援

就職に必要な知識やスキルを向上するための訓練や、適性に応じた求職活動に関する支援などをおこないます。利用期間は2年です。対象者は、通常の事業所(一般企業)に雇用が可能と見込まれる18歳〜65歳の障がいや難病のある方です。

就労継続支援A型

雇用契約を結び給料をもらいながら、就職に必要な知識やスキルを身につける訓練をおこないます。対象者は65歳未満で、就労移行支援を利用しても就職につながらなかった方や、特別支援学校を卒業後に就職活動をおこなっても就職につながらなかった方です。

就労継続支援B型

A型と同様に知識やスキルを身につける訓練をおこないますが、B型は雇用契約を結びません。非雇用のため給料は発生しませんが、作業分の工賃を受け取ることができます。対象者は、就労移行支援を利用しても就職につながらなかった方や、一定の年齢に達している方などです。

就労定着支援

就職先の職場環境や業務に順応し、継続して働くことができるよう支援します。具体的には、職場で悩みやトラブルが生じた際に、就労定着支援員がご本人と職場を仲立ちし、アドバイスや指導などの支援をおこないます。

就労支援に関することはココルポートへ

本記事では、パニック症の原因や症状、発症しやすい方の特徴、発作が起きた時ときの対処法などを詳しくお伝えしました。不安や困りごとは一人で抱え込まず、ご自身に合った支援機関、支援制度を積極的に利用しましょう。

また、パニック症を抱える方が就労を希望するときに利用できる機関の一つとして、就労支援事業所をご紹介しました。興味をお持ちの方はぜひ一度ココルポートにお問い合わせ下さい。

ココルポートでは、スタッフが複雑な手続きのサポートを行っています。初めて利用される方でもご安心して就労移行支援を利用できるよう心がけています。また、ココルポートについての疑問はもちろん、就労移行支援サービスの仕組みや手続きについて詳しく知りたい方もお気軽にお問い合わせください。

現在の困りごとを相談する場合はこちら【無料】


西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医

長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。

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