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統合失調症の症状があっても仕事は続けられる? おすすめの職種を解説

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統合失調症は、誰しもがかかる可能性のある病気です。近年少しずつ認知されつつありますが、具体的な症状やその影響に関しては、まだ十分に理解されていません。

仕事選びにおいて、統合失調症の症状を理解することは大変重要です。統合失調症の症状が仕事上の困りごとにつながるパターンを把握しておくことで、よりよい仕事選びにも繋がるでしょう。

本記事では、実際に働く統合失調症の方々の声を紹介しつつ、仕事選びのポイントから統合失調症の方に向いている仕事まで徹底解説します。

統合失調症とは?

統合失調症は、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障がいです。代表的な症状は下記6つです。

  • ・現実とのつながりの喪失(精神病)
  • ・幻覚(通常は幻聴)
  • ・妄想(誤った強い思い込み)
  • ・異常な思考や行動
  • ・感情表現の減少
  • ・意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下

統合失調症は人口の約1%にみられ、発生率に男女差はありません。統合失調症の正確な原因は不明ですが、最新の研究では、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって発症することが示唆されています。

参照:MSDマニュアル「統合失調症

統合失調症の症状がありながら仕事をしている方の声

統合失調症の症状がありながら働く方たちは、どのような職種で活躍しているのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、統合失調症の症状がある方10〜60代の男女100人を対象に、アンケート調査を行いました。

統合失調症の症状がある方が仕事を選ぶ際に何を重視し、どのような困難に直面しているか、実際の声を紹介します。

統合失調症の方はどんな職種で働いている?

アンケートの結果を、以下のグラフに示します。パート・アルバイト、フリーランス・SOHO(自宅や小さいオフィスでの業務)、公務員などさまざまな雇用形態がありますが、最も多いのは会社勤務(一般社員)でした。

▼現在の雇用形態を教えてください

アンケートの円グラフの画像

雇用形態 具体的な職種
一般社員 事務職、営業、サービス業、製造業、運送、IT系等
派遣社員・契約社員 事務職、コールセンター、保育士、不動産業等
パート・アルバイト コンビニ店員、事務作業、就労継続支援A型等
フリーランス Webクリエイター、Webライター、イラストレーター等
公務員 市役所職員、教員、事務等

統合失調症の方はどんな仕事をしている?

統合失調症の症状がある方々も、多岐にわたる職種で活躍しています。以下に、アンケートデータを基にした具体的な仕事内容を紹介します。ぜひ参考にしてください。

仕事 具体的な仕事内容
事務職 エクセルでのデータ入力、社員の給料計算、顧客データの整理、会社への荷物の仕分け、定型文章の入力、製品の出荷作業、福利厚生の管理
接客業 接客、レジ打ち、調理、品出し、検品、清掃
製造業 パンやコーヒーなどの製造
運送業 取引先の飲食店やホテルへのマット等の備品配送、荷物の配送、決められた路線便の運転
軽作業 倉庫内の物品管理、備品の手配、宅配食品の箱詰め作業
就労継続支援A型 チラシ折り、施設外清掃、封入作業、タオルたたみ作業

個々人の得意分野・強みによって、様々な職種に可能性があるといえます。

統合失調症の方が仕事を決める際に気をつけたこと

統合失調症の方は仕事を選ぶ際、さまざまなことに注意を払っています。業務形態はもちろん、職場の理解や配慮、自分の病状に適した業務内容、コミュニケーションの取りやすさなどです。

具体的には、統合失調症の病状を理解し、配慮が見られる企業や、人との関わりが少ない、もしくは困った時にコミュニケーションが取りやすい職場を選んでいます。

アンケート結果では、興味がある業務や自身の能力を活かせる仕事を選ぶ傾向も見られました。また、自分のペースで業務がこなせる環境や、リモートワーク・在宅勤務の可否といった点も重視しています。

統合失調症の方が仕事で困ったこと

統合失調症の方が仕事で直面する問題は多岐にわたります。

アンケートの回答では、体調が不安定であること、感情のコントロールが難しいといった声が多く寄せられています。

また、コミュニケーション能力の不足、妄想や幻聴による悩み、集中力が続かないといった問題を訴える声も多いです。

さらに、ストレスが増大すると体調が悪化したり、幻聴が聞こえたりするという回答も見受けられます。統合失調症の方が仕事を続けるには、ストレスの少ない職場選びが重要といえるでしょう。

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統合失調症の方に共通する仕事の悩み

統合失調症の方が仕事で直面しやすい共通の悩みには、集中力の低下、意欲の低下、職場の人間関係によるストレスなどがあります。

これらの問題は、日々の業務を困難にするだけでなく、長期的なキャリア形成にも影響を及ぼします。ここでは、それぞれの悩みについて解説します。

  • ・集中力の低下
  • ・意欲の低下
  • ・職場の人間関係によるストレス

それぞれ詳しく見ていきましょう。

集中力の低下

統合失調症の方は、仕事における「集中力の低下」に関して悩みを抱えるケースが多い傾向があります。これは、スムーズに考えることが難しくなる「思考障がい」という症状による可能性が高く、幻聴による音や声が頭の中で頻繁に聞こえてくることで、注意力が散漫になってしまうケースもあるでしょう。

意欲の低下

統合失調症の方は「意欲の低下」に悩まされるケースが多いです。特に、陰性症状のある方は、感情の鈍化や意欲の欠如がより顕著に表れます。

これらの陰性症状が強くなると、仕事へのエネルギーが失われ、業務の遂行が困難になることもあります。

そして、さらに病状が進行した場合、仕事の期限を守ることができなくなったり、遅刻や欠勤が増えて自宅にこもるようになったりする事態も引き起こされます。

職場の人間関係によるストレス

統合失調症をふくめた精神疾患は、外見からは分かりづらい病気であるため、時折「仕事ができない人」、または「能力がない人」などと誤解されてしまうことがあります。

職場の人間関係は、統合失調症がある方にとって大きなストレスです。悪口を言われるような幻聴や被がい妄想をしてしまい、周囲に恐怖や猜疑心を向けてしまうことも少なくないでしょう。

このような状況に置かれると不安や恐怖が蓄積し、コミュニケーションを避けるようになるケースもあります。そうなると職場の人間関係がさらに困難になるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼしかねません。

統合失調症の方の仕事選びポイント

統合失調症がある方が仕事を選ぶ上で、特に考慮すべきポイントがあります。勤務時間の配慮、病気の症状を(必要に応じて)共有しておく、治療を怠らないといったポイントを押さえることが大切です。

ここでは自身の病状を管理し、かつ長期的に働き続けるための3つのポイントを解説します。

  • ・勤務時間は無理をしない
  • ・症状のことを(必要に応じて)伝えて共有しておく
  • ・積極的に治療に取り組む

それぞれ詳しく見ていきましょう。

勤務時間は無理をしない

統合失調症は、ストレスや疲労が蓄積すると、幻聴や被がい妄想などの再発につながりやすくなる場合もあります。症状が出て、一般的な勤務条件で働くのが難しくなる方も少なくないようです。

フルタイムで働くことを負担に感じるのであれば、短時間のパート勤務や隔日勤務などの仕事を探してみましょう。

症状のことを(必要に応じて)伝えて共有しておく

就労後のトラブルを避けるため、面接時の企業とのコミュニケーションは重要です。誤解やミスマッチは双方にとって負担になります。

病気や障がいについて、障がい者雇用でない場合は会社へ伝えなくてはならない義務はありませんが、「症状が悪化すると急に休む可能性がある」「悪化させないために定期的な通院が必要」といった事情を、早めに伝えておくことは、安定した就労に向けてメリットにつながることも多いです。

また、統合失調症の方が面接時に受けることの多い質問があります。例えば「通院をしているか」「どのくらいの時間働けるのか」「どのような時に調子を崩しやすいか」「常用している薬は何か」「薬の服用頻度や時間」などです。

理解や配慮をしてほしいことは事前にまとめ、面接前に準備しておくようにしましょう。

積極的に治療に取り組む

仕事を続けるためには、積極的な治療への取り組みが極めて重要です。統合失調症の治療の中心となるのは、定期的に通院しながらの薬物療法になります。通院を怠らず、医師の指示に従って治療を続ければ、症状が改善する可能性も高まります。

また、再発のサインに早い段階で気づけると、早期に対処して症状の悪化を防げます。適切な治療と自己理解を通じて、良好な職場環境を築けば、統合失調症がありながらも安定した日常生活を送ることが可能です。

統合失調症の方に向いている仕事

では、統合失調症の方が安心して働きやすいといわれている仕事には、どんなものがあるでしょうか。

ここでは、人とのコミュニケーションで消耗することが少ない仕事の例を紹介します。また、社会保険の加入可否については、事前に確認しておきましょう。

  • ・商品管理
  • ・軽作業
  • ・製造業
  • ・事務職

それぞれ詳しく見ていきましょう。

商品管理

商品管理は倉庫や流通センターの中で働くことが多い仕事です。作業内容は検品、ピッキング、商品仕分けなどです。

軽作業

ビル清掃などのほか、ガーデンや植え込みの剪定、除草、柵の補修、廃棄物仕分け作業などもあります。

製造業

工場内で、ベルトコンベアで流れてくる製品を組み立てる仕事です。

事務職

事務職の主な仕事は、書類整理やデータ入力などです。そのため、ルーティンワークが可能で、比較的自分のペースで作業しやすい職種とも言えるでしょう。また、電話応対などが含まれない限り、コミュニケーションも定型的なものが中心となるので対人関係のある職種に比べると、ストレスを感じにくい仕事です。

統合失調症の方が仕事について悩んでいるときに利用できる就労移行支援

就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づき、統合失調症をはじめとする精神疾患や障がいなどで社会参加や就職が困難な方をサポートする制度です。

就労移行支援事業所では、一人ひとりに合わせた支援計画を作成し、通所者はそれを基に一般企業への就職を目指します。事業所に通いながら必要な知識やスキルが習得可能なため、障がいのある方でも一般企業に就職できる確率が高まります。

また、事業所では常に支援員がそばにいるため、就職の悩みや自分の体調などを相談しながら進めていくことが可能です。全国に3,000カ所以上の事業所があり、毎年3万人以上が利用しています。

就労移行支援に関して、さらに知りたい方は下記ページをご覧ください。
関連ページ:「就労移行支援とは

統合失調症は専門医のサポートで治せる

統合失調症の症状は、自分でも周囲の人からでも、理解しにくいものです。それゆえ苦しむ方は大勢いますが、きちんと治療を継続すれば問題なく生活できるレベルまで回復することも期待できます。

治療は早いほど効果的です。ためらわず、早めに専門医に相談するようにしましょう。

安心して長く働くためには、仕事で無理をしすぎないことが大切です。コミュニケーションで疲れてしまうことが少ない仕事や、短時間の勤務なども検討してみましょう。

また、統合失調症などの精神疾患がある方の就職をサポートする国の支援制度もあります。一般企業での就労を目指す方は、ぜひ活用してみてください。

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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医
長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。

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