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【アンケートあり】双極性障がい(躁うつ病)の方が仕事を継続するためのポイント

書類を使って説明している画像
双極性障がいのある方の中には、「この職場で継続して働けるか」「健康状態が悪化しないか」といった不安のある方もいるかもしれません。

双極性障がいの特性を理解し上手に付き合うことができれば仕事を続けていくことも可能です。本記事では、そのための具体的な方法や頼れる社会資源について解説していきます。

※近年の世界保健機関(WHO)などの診断基準の改訂により、いわゆる「躁(そう)うつ病」は、「双極性障がい」あるいは「双極症」という名称へ移行しつつあります。ここでは、世間でも比較的なじみのある「双極性障がい」という名称で話を進めます。

双極性障がいⅠ型・Ⅱ型の特徴と症状

双極性障がいとは、躁(そう)状態あるいは軽躁(けいそう)状態とうつ状態を不定期に繰り返し、激しい気分の上下が見られる精神障がいです。大きく分けてⅠ型とⅡ型があり、ここではそれぞれの特徴を解説していきます。

双極性障がいⅠ型とは

双極性障がいのⅠ型とは、典型的な躁状態とうつ状態を交互に繰り返す障がいです。

1週間〜数カ月間続く激しい躁状態によって、仕事や暮らしに大きな支障が出たり、良好な人間関係が保てなくなったりして、入院が必要となることもあります。

躁状態とうつ状態の差が極端でⅡ型よりも躁状態が強く表れるのが特徴です。

双極性障がいⅡ型とは

双極性障がいのⅡ型とは、軽躁状態(Ⅰ型よりも軽い躁状態)と、うつ状態の症状を繰り返す病気です。
躁の症状は(Ⅰ型に比べて)社会生活に大きな影響を与えるほどではありません。しかし、Ⅱ型は必ずしも「Ⅰ型より軽い病気」というわけではありません。

うつ状態が長期に及ぶなど慢性化しやすい傾向があり、「うつ病」と誤診されていることもよくあります。

また、気分の波やイライラが激しく、とっぴな行動に出てしまう場合もあり、生活や対人関係などで悩むことが多くなってしまいます。

躁状態の症状

躁状態(あるいは軽躁状態)の症状には下記が挙げられます。

  • ・睡眠時間が短くても元気に活動できる
  • ・自分が「何でもできる」「偉い人間だ」などと感じる
  • ・いつもよりしゃべるようになる
  • ・次々とアイディアが浮かんでくるようになる
  • ・怒りっぽくなる
  • ・気持ちが大きくなり、買い物やギャンブルに多額のお金を使うようになる

うつ状態の症状

うつ状態の症状には下記が挙げられます。

  • ・気分がうつうつとして、訳もなく悲しくなる
  • ・身体がだるく疲れやすい
  • ・疲れているのに眠れず、夜中に目が覚めやすくなる
  • ・興味や関心を失う
  • ・気力や集中力がない状態が続く
  • ・「自分には価値がない」と感じる
  • ・動作や話し方がゆっくりになる

双極性障がいがありながら仕事をしている方の実際の声

ここでは、双極性障がいのある方がどのように仕事をしているのか、実際の声を紹介します。

アンケートを行ったところ、双極性障がいのある方の職業は、コンビニやスーパーの店員、コールセンターのスタッフ、事務、工場勤務、ハンドメイド作家など、様々でした。

具体的な仕事内容としては、レジ打ち、品出し、食品の検品作業、電話応対や事務作業、データ入力、営業活動、などです。

仕事中に困ったこととしては、下記のような声が挙がっていました。

  • ・うつ状態の時も、いつものように明るく振る舞わないといけないのが大変
  • ・苦手な人とコミュニケーションをとる時、気を遣うので疲れる
  • ・気分にむらが出やすいのでコントロールが難しい
  • ・言葉につまったり、どもったりしてしまう
  • ・頓服薬を飲まないとイライラしたり落ち着かなかったりするけど、飲むと眠気が襲ってくる

仕事を決める際に気をつけたことに関してのアンケート結果は下記の通りです。

  • ・ストレスが溜まって逃げ出したくならない仕事かどうか
  • ・人と深く関わることが少ない仕事を選んだ
  • ・できるだけ単調な仕事を選んだ
  • ・気分が悪くなった時、すぐにトイレに駆け込めるような職場環境か
  • ・病気や障がいへの理解が得られるかどうか

【アンケート概要】
調査時期:2022年12月26日~2023年1月6日
回答数:22件
調査手法:インターネット調査
調査対象:双極性障がいがありながら仕事をしている方
調査実施:インターネットリサーチ会社

双極性障がいの方が抱えやすい仕事上の困りごと

ここでは、双極性障がいのある方が抱えやすい仕事上の困りごとを、躁状態(軽躁状態を含む)とうつ状態に分けて解説します。

躁状態の時の困りごと

躁状態の時の困りごとの代表的なものは下記の通りです。

  • ・気持ちが高ぶり、なんでもできるように感じる
  • ・人の意見に耳を貸さない
  • ・計画を立てずに仕事を進めてしまう
  • ・イライラして、怒りっぽくなる
  • ・仕事がはかどるように感じて、無理な仕事も引き受けがちになる

上記のような困りごとから、周囲との関係性やコミュニケーションがうまくいかず悩むことが多くあります。

うつ状態の時の困りごと

うつ状態の時の困りごとの代表的なものは下記の通りです。

  • ・無気力・無関心になる
  • ・仕事が手につかなくなる
  • ・朝起きることができなくなる
  • ・意志と関係なく、動きたくても体が動かなくなる

うつ状態が悪化することで、通勤ができなくなり仕事が継続できないということもあります。

双極性障がいの方が仕事を継続するための5つのポイント

双極性障がいのある方が仕事を継続するためには、「自分を知ること」「周囲に相談すること」の2つを特に意識しながら、自分に合った仕事を探す必要があります。

ここでは下記の5つのポイントを解説します。

  • ・自分の調子の変化のサイン(前兆)を理解し対策を考えておく
  • ・周囲の理解、サポートを求める
  • ・食事・睡眠など、生活リズムを整える
  • ・服薬を継続する
  • ・なるべく残業を避け、無理をしない

それぞれ詳しく紹介していきます。

自分の調子の変化のサイン(前兆)を理解し対策を考えておく

まず自分の状態を観察し、「どんな時に調子を崩しやすいのか」「調子が悪くなる前兆として、どのような症状が出てくるか」を知ることが大切です。

調子を崩す傾向を知ることで、健康状態が本格的に悪化する前に対処することができます。

例えば、睡眠時間が短くなってくる、いつもより口数が増えている、生活リズムが乱れ始めている、などが挙げられます。自分で気づくのが難しい場合は、親しい人や職場の人に聞いてみるのも1つかもしれません。

これまで調子を崩した時はどんな時だったかを振り返り、その時のサインを理解しておくことが重要です。

周囲の理解、サポートを求める

調子を崩しやすい要因・崩しているサインに気づくことができたら、それを周囲の人に伝えサポートを得られる環境をつくることが大切です。

自分で調子の変化に気づくことも大切ですが、自分だけではどうしても気づけないこともあります。

そんな時、周囲の人から客観的な視点でサポートを得られることは、仕事を継続する上で重要になってきます。調子を崩した時にも、すぐに相談し対処がしやすい環境を整えていくことが大切です。

食事・睡眠など、生活リズムを整える

食生活や睡眠など生活リズムの乱れは体内時計の乱れとなり、症状の悪化につながりやすいです。

躁状態だと睡眠時間が少なくても活発に活動し、反対にうつ状態だと躁状態とは逆に疲れやすく、食欲が落ちたり睡眠の質が落ちたりします。

この状態が不定期に訪れるので、体内時計が乱れ、余計に具合が悪くなります。

そのため、食生活や睡眠など生活のリズムを整えていくことが症状を悪化させず仕事を継続するために重要です。

服薬を継続する

医師から服薬の指示を受けている場合は、必ず服薬を継続することが大切です。

双極性障がいがある方の中には、躁状態を調子が良くなったと感じて服薬を忘れてしまうことがあります。しかし、服薬を忘れてしまうと症状が悪化する可能性があり、仕事を継続することも難しくなっていきます。

定期的に診察を受けて服薬を継続し、もし薬について気になることがある場合は主治医に相談することが大切です。

なるべく残業を避け、無理をしない

双極性障がいのある方は、勤務時間および仕事量を一定にし、残業は極力避けて無理をしないように働くことが大切です。

双極性障がいの方が長時間の残業など過度な労働を続けると、躁転(躁状態になること)してしまうこともあります。

躁状態の時は、いわゆる「ハイな状態」なので疲れを感じにくく、無理をしている自覚がないため、繁忙期には過剰に仕事を続けてしまうケースが多いので注意が必要です。

双極性障がいは、なるべく気分の波につながるストレスを減らすことが再発予防につながります。そのため、周囲の理解が得られる職場環境で仕事をすることが重要です。

体調が悪くつらい時に定時で退社したり半休や休暇をもらったりできる職場であれば、双極性障がいとうまく付き合いつつ、不調を乗り越えて仕事を継続できるでしょう。

1日の中で必要な業務をできる限り早めに切り上げたり、こまめに休憩をとるようにしたりするなど、働き方を工夫しましょう。

双極性障がいの方が続けやすい仕事

双極性障がいがある方は、躁状態とうつ状態を繰り返すことで体内時計、生活リズムが乱れやすく、それが症状悪化につながってしまいます。

そのため、下記のポイントを押さえることが大切です。

  • ・業務量が大きく変わらない仕事
  • ・勤務時間が大きく変わらない仕事
  • ・自分のペースで進められる仕事
  • ・一人で進められる定型的な仕事

「仕事量」と「ストレスの負荷」の変化をできるだけ抑えられること、また体調の波に応じて業務量を調整できることが、仕事を継続する上で大切になります。

双極性障がいの方が仕事を探す上で気をつける3つのポイント

双極性障がいのある方が仕事を探す時は、自分だけで探すのではなく周囲に頼り、意見を聞きながら見つけていくことが大切です。3つのポイントをご紹介します。

  • ・繁忙期・閑散期の波が大きくないか
  • ・勤務時間が大きく変わらないか
  • ・障がいへの理解や配慮があるか

それぞれ詳しく解説します。

繁忙期・閑散期の波が大きくないか

繁忙期と閑散期の差が激しい仕事は生活リズムが乱れやすく、症状の悪化につながりやすいです。生活リズムを崩すことなく、安定したリズムで仕事できる環境が大切です。

勤務時間が大きく変わらないか

早朝勤務や夜勤などシフト制の仕事も生活リズムが乱れやすく、症状の悪化につながりやすいです。勤務時間に大きな変動がなく、決まった生活リズムで仕事できることが大切です。

障がいへの理解や配慮があるか

職場に障がいに対する理解や配慮がどの程度あるかによって働きやすさも大きく変わります。双極性障がいの症状と付き合い仕事を継続するには、周囲のサポートや環境も大きく影響するからです。

障がいに配慮があるかどうかを見分けるポイントとして下記が挙げられます。

  • ・障がいに関する社内研修制度が充実しているか
  • ・福利厚生制度が整備されているかどうか

体調に応じて短時間勤務制度や休職制度などのフォロー体制があるかどうかを確認することが重要です。就業規則をチェックするか、分かりづらいときは人事部の方に直接聞いてみましょう。

双極性障がいの方が仕事をする上で活用できる社会資源

経済的支援や仕事を探し継続していくためのそれぞれの段階に応じて活用できる社会資源を解説していきます。

経済的支援を受けられる社会資源

ここでは経済的支援を受けられる、4つの資源を解説します。

■自立支援医療制度(精神通院医療制度)

精神科の治療のために継続的に通院している方の医療費の自己負担額の一部を補助してもらえる制度です。

疾患や所得に応じて1カ月の自己負担額が設定されています(医療費のおおよそ1割程度の自己負担になる場合が多いです)。

■精神障がい者保健福祉手帳

双極性障がいがある方の中には精神障がい者保健福祉手帳を取得できる場合があるので、主治医に相談してみましょう。

また、取得するには初めての受診日(初診日)から6カ月以上経過していることが条件の1つです。

精神障がい者保健福祉手帳を取得すると、疾患や程度に応じて様々な福祉サービスや公共施設利用料の割引などを受けることができます。

また「障がい者雇用」という枠で、障がいに対する配慮や支援を得られやすい職場で働く選択肢も得ることができます。

■障がい年金

病気やけがによって生活や仕事に支障が出た時に受け取ることができる年金です。

働いている場合でも、症状により仕事が制限されていると判断された場合は、生活の一部を支援する金額が支給されます。

■傷病手当金

健康保険に加入している人が、病気やけがのために働くことができず長期間休職した時に、生活を保障する目的で支給される手当金です。

仕事探しをする前の準備として活用できる社会資源

自分に合った仕事を探すための準備として活用できる2つの資源を解説します。

■就労移行支援事業所

障害者総合支援法に基づいて障がいのある方の社会参加をサポートするための福祉サービスです。

障がいのある方が一般企業への就労を目指す際に「職業訓練の提供」と「就職活動の支援」によってサポートをしています。

就労移行支援事業所について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:就労移行支援事業所とは|実際の就職事例や就職後の流れなど徹底解説

■障がい者就業・生活支援センター

障がいがある方の暮らしや仕事についての総合的な支援を行っており、就職に関することや職場では話しづらい仕事上の悩み、健康問題などについて相談することができます。

仕事を探す時に活用できる社会資源

実際に仕事を探し始めるときに活用できる2つの資源を解説します。

■ハローワーク

就職や転職を目指す人々に対し職業紹介や求職相談、雇用保険の手続きといった支援を行っている機関です。

障がいがある方の就労を支援する窓口(専門援助部門)があり、就職に関する相談やカウンセリングの実施のほか、障がいや疾患のある方を対象にした求人の紹介などを行っています。

■就労移行支援事務所

上記で紹介した通り、障がいのある方が一般企業への就労を目指す際に「職業訓練の提供」と「就職活動の支援」によってサポートをしており、履歴書の書き方や面接での受け応えなども支援しています。

双極性障がいの特性や本人が抱える悩みをよく理解した上で、働きやすい職場を探すお手伝いをしてくれます。

双極性障がいの方の仕事に関する悩みはココルポートへ

仕事を継続するためには、双極性障がいの特性とそれに伴う自身の状態をよく理解し、必要に応じて周囲のサポートを受けながら上手に付き合っていくことが大切です。

就労支援のココルポートは、双極性障がいのある方が就職や自立に向けて様々なスキルを身につけながら自分と向き合うことをサポートいたします。

ココルポートの特徴は「個別支援」に力を入れていることです。体調・悩み・希望を支援員に相談できる体制をとっています。

就労へ向けたスキルはもちろん、セルフケアを身につけるサポートなど、様々な側面から就労の準備を一緒に整えていきましょう。

まずは「ココルポートの見学・相談」から気軽にお問い合わせください。

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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医

長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。

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