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発達障がいの方に向いている仕事をADHD、ASD、LDの特性別に徹底解説

患者の手を握る医者の画像

発達障がいの特性があり、仕事を探している方の中には「自分の特性に合う仕事が分からない」「仕事を始めても続かないのでは…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

発達障がいの特性は主に3種類に分類され、それぞれで仕事上の困りごとや、向いているもしくは向いていない仕事が異なってきます。発達障がいの特性を理解し、その特性と上手に付き合っていけば、自身の強みを活かしつつ仕事をすることが可能です。

本記事では独自のアンケート調査を基に、仕事の悩みや向いている仕事、向いていない仕事を徹底解説していきます。

発達障がいとは

発達障がいは、主に下記の3種類に分類されています。なお、診断基準によって正式な名称は異なります。

  • ・ADHD(注意欠如・多動症/注意欠陥・多動性障がい)
  • ・ASD(自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障がい)
  • ・LD(発達性学習症/限局性学習症/学習障がい)

発達障がいは上記の3種類以外にも「吃音」など複数存在しており、いくつかの特徴がグラデーションのように入り混じっていることも多いです。そのため、自分はどの特徴が強いのかを知ることが大切になります。

発達障がいの基礎知識や診断方法について、さらに詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:「発達障がいの診断方法|特性や対処法、セルフチェックの方法をご紹介」

発達障がいの方が抱えやすい仕事の悩みやおすすめの仕事

ここでは独自で聴取したアンケートを基に、発達障がいの方が抱えやすい仕事の悩みを、発達障がいの種類別にご紹介します。

【アンケート概要】
調査時期:2022年11月21日~11月25日
回答数:61件
調査手法:インターネット調査
調査対象:発達障がいの特性がありながら仕事をしている方
調査実施:インターネットリサーチ会社

ADHDの方が抱えやすい仕事の悩みやおすすめの仕事

まず、ADHDの特性がある方が抱えやすい仕事の悩みを、独自で聴取したアンケートを基に、特性別にご紹介します。

ADHDの方に向いているおすすめの仕事、また向いていない仕事も紹介しますので、自分の特性に合った仕事があるかチェックしてみましょう。

■ADHDの特性がありながら仕事をしている方の声

ADHDの方は、一般事務・医療事務、飲食店やスーパーマーケットなどの接客業のほか、ホテル清掃、介護ヘルパーなどの職業に就いているとの声が多くありました。中には、自営・フリーランスで在宅ワークをしている方も少なくないようです。

それぞれの職種と仕事内容は下記の表をご覧ください。

職種 仕事内容
一般事務・医療事務 受付、案内、会計、電話交換手、書類への記載・整理等
飲食店・スーパーマーケット レジ、接客、料理の仕込み、品出し、ごみ捨て等
清掃 お店や建物内、ホテルの清掃等
自営・フリーランス データ入力、ライティング、イラスト制作、デザイナー等
その他在宅ワーク 事業所内の広報やブログ記事、公開映画の宣伝・評価、YouTube番組のシナリオ制作等

■ADHDの方が仕事中に困ったこと

仕事中に困ったケースとして共通するのは「人とのコミュニケーションがうまく取れない」「トラブル発生時に対処法が分からず判断できない」「仕事が増えるとパニックに陥る」などです。

また、過集中になりがちで作業のしすぎによって疲れ果ててしまうことも、困った要素として見受けられました。

■ADHDの方が仕事を決める際に気を付けたこと

仕事を決める際に気をつけた点として多かったのは下記の3点です。

  • ・無理なくマイペースで働けるかどうか
  • ・人間関係で困ることが少ないか
  • ・接客や電話対応など自分の苦手な仕事は避けた

自分の得意不得意をしっかりと認識し、自分のペースで働ける職場を選んでいる方が目立ちました。

■ADHDの方が抱えやすい仕事の悩み

ADHDの方が抱えやすい仕事の悩みの大きなポイントは下記になります。

  • ・整理整頓やスケジュール管理が苦手
  • ・落ち着きがなく1つのことに集中力を持続させるのが苦手
  • ・優先順位の判断をつけて行動することが苦手

物事の優先順位の整理や管理が難しく、約束や期日を忘れてしまうなどのトラブルが生じやすいといえます。

■ADHDの方に向いている可能性がある仕事

ADHDの方に向いている仕事は、長所である「発想力」「感受性」「行動力」が活かせる仕事です。

Webデザイナーやディレクター系などのクリエイティブ職のほか、できるだけ自由度の高い働き方を選ぶことで、ストレスなく自身の強みを発揮できるでしょう。

■ADHDの方に向いていない可能性がある仕事

ADHDの方に向いていない仕事は、「マルチタスクを求められる仕事」「不注意によるミスが命に関わる仕事」などがあります。マルチタスクが求められる秘書や事務職、他人の命をあずかるパイロットや救急医療系の仕事などは避けたほうがいい職種といえるでしょう。

また、ザワザワと騒々しい場所が苦手な方も多く、そういう方は人が多いデパートやスーパーマーケットの販売業などは向いていないかもしれません。

ASDの方が抱えやすい仕事の悩みやおすすめの仕事

次にASDの特性のある方が抱えやすい仕事の悩みを独自で聴取したアンケートを基に紹介します。

おすすめの仕事も紹介しますので、自分の特性に合った仕事があるかチェックしてみてください。

■ASDの特性がありながら仕事をしている方の声

ASDの方の職業には、一般会社員、教職員、看護師、製造、自営・フリーランスなどが多いようです。

下記は、それぞれの職種における仕事内容となります。

職種 仕事内容
一般企業の社員 事務(経理、公共交通機関)、管理職(システムエンジニア)、臨床検査技師、社会福祉士(相談援助)等
公務員 教員(非常勤講師)、県庁の臨時職員(郵便物の仕分け、発送業務)
看護師 精神科の訪問看護
経理・総務 取引先への支払い、売上金の回収、帳簿への記入等
製造業 自社製品の製造、機械加工業務等
パート・アルバイト PC業務(ライティング、文字起こし、校正)
自営・フリーランス 美容師(1,000円カット、事務処理)、家族経営農家(牛舎清掃、子牛育成、雑務)、データ入力や点検、ライティング業務等

■ASDの方が仕事中に困ったこと

仕事中に困った出来事として挙がっていたのは「空気が読めず暗黙の了解が分からない」「周囲が騒がしいと集中できなくなる」「伝えたいことがうまく言語化できない」などでした。

他には「とっさの質問に対して返答に詰まる」「仕事において苦手な人とのコミュニケーションの取り方が分からない」といった声も見受けられました。

■ASDの方が仕事を決める際に気を付けたこと

仕事を決める際に気をつけた点としては下記の3つが挙げられます。

  • ・単純で簡単な業務内容かどうか
  • ・時間に縛られずマイペースで働けるか
  • ・接客やマルチタスクを必要とする仕事を避けた

自分のペースで働ける環境は大前提な上で、できるだけ単純作業の多い職場を選ばれている方が多く見受けられました。

■ASDの方が抱えやすい仕事の悩み

ASDの方が抱える仕事の悩みの大きなポイントは下記になります。

  • ・他者とうまくコミュニケーションが取れない
  • ・仕事の進め方などに強いこだわりがある
  • ・暗黙の了解やその場の空気、相手の表情や意図を読み取り理解することが苦手

上司や同僚とコミュニケーションがうまく取れず、臨機応変な対応に難しさを感じ、仕事がうまくいかなくなることがあります。

■ASDの方に向いている可能性がある仕事

ASDの方に向いている仕事は、「やることが決まっていてイレギュラーが少ない仕事」「人との関わりが少ない仕事」です。

事務や受付など、ルールやマニュアルが整い業務内容が決まっている仕事や、同じことを自分のペースで進められる仕事などが向いています。ただし、得意なこと(例えばプログラミングなど)を仕事に選ぶことで、自身の能力を発揮できる場合も多いので、自身の得意分野を振り返ってみるとよいでしょう。

■ASDの方に向いていない可能性がある仕事

ASDの方に向いていない仕事は、「高いコミュニケーション能力」「臨機応変な対応」を求められる仕事などが挙げられます。接客や販売業、営業などは、コミュニケーションスキルやその場に応じた対応を求められることが多く、これらは避けたほうがよい職種かもしれません。

ASDの方に向いている仕事、向いていない仕事に関する詳しい情報は下記記事をご覧ください。

関連記事:「ASD(自閉スペクトラム症)の方に向いている仕事は? 実際に働いている職場もご紹介」

LDの方が抱えやすい仕事の悩みやおすすめの仕事

最後にLDの特性のある方が抱えやすい仕事の悩みを独自で聴取したアンケートを基に紹介します。

おすすめの仕事も紹介しますので、自分の特性に合った仕事があるかチェックしてみてください。

LDの方におすすめの仕事、また向いていない仕事も紹介しますので、自分の特性に合った仕事があるかチェックしましょう。

■LDの特性を持ちながら仕事をしている方の声

LDの方は、「配送業やパート・アルバイトで仕事をしている」という声が多く見受けられました。主な仕事内容は下記の通りです。

職種 仕事内容
配送業 倉庫内にある荷物の仕分け作業、固定ルートでの配送業務等
パート・アルバイト 倉庫内にある野菜の仕分け等

■LDの方が仕事中に困ったこと

仕事中に困ったこととして「全体で書類内容を読み合わせする際、なかなか読めなかった」「仕分けの際にグラムで指示された時、計算が遅いのでパッと分からない」との声がありました。

■LDの方が仕事を決める際に気を付けたこと

仕事を決める際に気をつけた点として挙げられていたのは、主に下記の3つです。

  • ・難しい仕事はできないので避けた
  • ・読字障がいが強いので書類業務の少ない仕事を選んだ
  • ・算数障がいがあるので計算の必要がない仕事を選んだ

文字や数字の読み書きが少ない仕事を選んでいる方が見受けられました。

■LDの方が抱えやすい仕事の悩み

LDの方が抱えやすい仕事の悩みの大きなポイントは下記になります。

  • ・読むことが苦手
  • ・書くことが苦手
  • ・話すことが苦手
  • ・計算・推論することが苦手

人によって苦手分野や特性の表れ方が異なり、それぞれに悩む場面があります。

■LDの方に向いている可能性がある仕事

LDの方は、自分の得意分野に合わせて仕事を探すとよいでしょう。人によって苦手な分野が異なるため、自身の特性を理解し工夫していくことも大切です。LDの方は業務のやりかたを工夫することが、より重要になってきます。

メモを取ることや資料を読んで理解することが苦手なため、セキュリティ的に可能な範囲で写真を撮ってメモ代わりにしたり、資料を持ち帰って読んだりなどの工夫をするとよいでしょう。

LDの方の中には、視覚的な認知において特別な才能をお持ちになっている場合があります。そのような方は、視覚で物事を理解し把握していくカメラマンや、デザイナーとしての活躍が期待できるかもしれません。

■LDの方に向いていない可能性がある仕事

LDの方は、人によって苦手な分野が大きく異なるため、一概にどのような仕事が向いていない、とは言い切れない部分があります。

自身の苦手分野を理解し、それを避けた仕事を選ぶことが大切です。例えば読むことが苦手な場合は、瞬時に文章を把握し、資料の内容を理解していく業務はあまり向いていません。そのため、資料や書類を素早く読む必要がある、スピード感が求められる業界・企業で働くのは避けたほうがよいでしょう。

発達障がいの方が仕事を続けるための工夫

発達障がいの方が仕事を続けるためには、自身の特性を理解し、それらを活かせる環境づくりが大切です。

仕事を続けるための具体的な方法について解説していきます。

  • ・自分の特性を理解する
  • ・自分の苦手なことや特性を職場に伝える
  • ・上司と「報告・連絡・相談」のルールを決めておく

自分の特性を理解する

まずは自分の苦手なことや特性を理解することが大切です。自身の特性を理解することで、トラブルなく仕事を続けるための対策を立てることができます。

「どういう時に、うまくいっていたか」「どういう時に、困った・うまくいかなかったか」など、これまでの出来事を相談しやすい相手と一緒に振り返り、自身の特性の傾向を理解する作業を行ってみましょう。

自分の苦手なことや特性を職場に伝える

自身の苦手なことや特性を、信頼できる職場の上司や同僚に伝えておくことも、有効な方法の一つです。

あらかじめ特性を伝えておくことで、相手にも受け入れてもらいやすくなり、トラブルを防ぐ手立てを一緒に考えることができるかもしれません。一人で抱え込まず、自身の苦手なことや特性を職場に伝えることで、必要に応じてサポートを受けることができる場合もあります。

職場で自分の特性を共有することは、働きやすい環境づくりにつながるでしょう。

上司と「報告・連絡・相談」のルールを決めておく

仕事を続けるためには、上司や同僚との関係性が重要になってきます。

良い関係を維持するためには、いわゆる「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)といった普段のコミュニケーションが大切です。日々の業務についての報連相の方法をルール化し、上司や同僚とのコミュニケーションを円滑に取れる工夫をすることが重要です。

例えば、定期的に仕事の進み具合を見てもらうようお願いをしておくなど、「困ってから」ではなく「普段から」報告したり相談したりすることで、周囲の助けを受けやすくなることは多いです。

発達障がいの方が仕事をする上で利用できる就労移行支援

自身のこれまでの働き方を振り返り、職場に合わなかった要因を分析することで、自分に合った仕事を選ぶことができます。その際には、障がいのある方の就職活動を支援する制度や機関を利用することをおすすめします。

就労移行支援事業所では、障がいや疾患のある方の就労に必要な訓練などを行い、一般企業への求職から就職までの一連の過程をサポートしています。

「職業訓練の提供」や「就職活動の支援」などを提供しており、履歴書作成や面接対策など就職活動のサポートや、就職後の定着支援を受けることが可能です。さらに、発達障がいの特性や本人が抱えている悩みを踏まえて、働きやすい職場を探す手伝いをしてくれます。

就労移行支援について、さらに詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
関連記事:「就労移行支援とは」

就労移行支援ならココルポート

発達障がいのある方が仕事を継続するには、自身の特性を理解し、向いている職種に就くことが大切です。周囲の理解と協力があれば、特性を上手に活かしつつ仕事を続けていけるでしょう。

ココルポートでは個別支援に力を入れており、ご利用者様一人ひとりの悩みや体調に適したサービスを提供しています。

就労移行支援事業所を利用し、一般企業へ就職する方は年々増えています。就労へ向けたスキルの習得、セルフケアを身につける方法など、様々な側面から一緒に就労準備を整えていきましょう。

就労について悩みや不安がある方は、まずは「ココルポートの見学・相談」から気軽にお問い合わせください。

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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医
長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。

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