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適応障がいのある方が転職を成功させるポイントや相談できる専門機関とは

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適応障がいのある方の中には「職場環境を変えたい」と思い、転職を検討中の方もいるでしょう。

適応障がいは仕事やプライベートなど、さまざまなストレス要因で症状が出現する病気です。そのため、転職後に症状が改善するケースは多くあるものの「適応障がいがあるために、転職を繰り返しやすい」という声も見受けられます。

そこで今回は、適応障がいはどのようなものなのか説明し、適応障がいのある方が転職で失敗しないためのポイントを解説します。

再発防止に有効な方法も紹介していくので、参考にしてみてください。

適応障がいとは

適応障がいとはストレス要因により、情緒面や行動面などに様々な症状が出現し、日常生活や社会生活に支障をきたす病気です。

適応障がいは、WHO(世界保健機関)のICD-11(国際疾病分類)では、「適応反応症」として登録されています。(一方、APA(米国精神医学会)の診断基準DSM-5では、従来どおり、「適応障がい」という病名となっています。)

ICD-11では、診断基準として下記が重視されています。

  • ・ストレスの原因や影響にとらわれ、繰り返し考える(反芻的思考)
  • ・ストレスの原因を思い出して悪化する(想起刺激による悪化)
  • ・ストレスとなった状況を避けるようになる(回避)

適応障がいは、特定の状況や出来事が原因となり発症する病気で、ストレス要因がない場所では症状が緩和されるのが特徴です。

たとえば、職場の人間関係にストレス要因がある場合、会社に着いた途端に不安や動悸、吐き気といった症状が表れます。

また、仕事に対しても業務に集中できず注意散漫となり、うまくいかないことが多くなる一方、職場からの帰宅後や休日など、自宅で過ごす時には元気を取り戻し、趣味や娯楽を楽しめるケースもあります。

参照:ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics

適応障がいで出現する症状

適応障がいの症状は、下記の3つに大きく分類できます。以下、それぞれの症状について解説していきます。

情動面の症状

情動面では、抑うつや不安感といった精神的な症状が表れやすいです。喪失感や絶望感から感情のコントロールが難しくなり、焦りや緊張によって仕事で失敗しやすくなるケースもあります。

また、以前は楽しめていたことが楽しめなくなったり涙もろくなったりするなど、うつ病に似た症状が出る場合も多いです。

行動面の症状

行動面では、規則正しい食事や睡眠などの生活リズムが保てなくなる、衝動的に行動してしまうなどの症状が現れる場合もあります。

また、注意力や集中力が保てず、思考力・判断力の低下も起こりがちです。

ちょっとした物音など刺激に敏感になってしまい、イライラして家族や友人に暴言を吐いて喧嘩や口論に発展するケースもあります。

身体症状

身体症状では、適応障がいに特有のものはありませんが、自律神経系の症状が多いです。

動悸やめまい、吐き気など、様々な体調不良が生じます。報告されている主な症状は以下の通りです。

  • ・動悸
  • ・吐き気・腹痛
  • ・汗をかきやすい
  • ・めまい
  • ・不眠
  • ・食欲不振
  • ・肩こり・頭痛

適応障がいの治療方法

適応障がいの治療方法は、大きく分けて3種類です。ここでは、それぞれの治療方法について解説します。

ストレス要因の除去

原因となるストレス要因の除去は、適応障がいの治療に有効です。まずは学校や職場、仕事内容、人間関係など、適応できないストレス要因を遠ざける必要があります。

可能であれば、転校や転職、引っ越しなどで環境を調整することが大切です。

ストレス耐性を高める

ストレス耐性を高める治療方法として精神療法やカウンセリングが有効です。ストレス要因の除去は状況によって難しいケースもあります。

しかし、認知行動療法などの精神療法やカウンセリングを受け、ストレスに対する考え方を変えたり、ストレスに対する対処法を学んだり(ストレスコーピングといいます)することで、ストレス耐性が高まり、環境を変えなくとも症状の緩和が期待できます。

薬物療法

薬物療法は、抑うつや不安症状がかなり強い場合、症状を緩和させる目的で行われます。

症状が軽い場合は、ストレスとなる環境を変えたり、ストレス対処法を身につけたりすることを優先することが多いでしょう。

適応障がいと診断された場合、仕事はどうすべき?

職場の人間関係や業務内容にストレスを感じ、適応障がいと診断された方も少なくないでしょう。ここでは、2つの対処方法を解説します。

症状が重い場合は休職を検討

適応障がいの診断後、仕事の継続により症状が悪化した場合、一度休職を検討することも大切です。

健康保険に加入している場合、病気やけがによる休職中、給料のおよそ3分の2が支給される傷病手当金という制度があります。

傷病手当金には連続して3日休んだ後の4日目以降でなければ支給が開始にならない、任意継続の方は給付対象にならないなど、いくつかの条件があります。

傷病手当金がもらえるかも確認して休職を検討しましょう。

病状を改善させるためにも、休職して治療に専念することは有効な選択肢の一つです。

仕事に復帰する際は、職場のストレス要因を除く必要があるため、会社に業務内容の変更や部署移動の希望を申請してみましょう。

かかりつけの主治医や会社の産業医などを通じて、希望を伝えることができる場合もあります。

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

環境を変えるために転職

会社へ職場環境における不満を伝えたものの改善されず、部署移動などを希望しても受け入れてもらえないケースもあります。その場合、転職により自分で環境を変えるのも1つの手です。

適応障がいの原因として職場環境が大きく関わっている場合には、職場を変えて心機一転することも選択肢として検討してみましょう。

適応障がいのことを転職活動中に伝えるべき?

転職活動をする際、メンタルの問題について転職先や転職エージェントに伝えるべきか迷う方も多いでしょう。

ここでは、適応障がいのことを転職先や転職エージェントへ伝えるべきか否かについて解説します。

転職先へ伝えるべきか

適応障がいを転職先にオープンにすべきかどうかにはベストな答えはありませんが、前の職場で受けたストレス要因を避けたいという観点では、転職先に伝えておくメリットはあります。

もし転職先へ適応障がいについて伝えず隠して働いた場合、新しい職場に転職したにも関わらず仕事量や人間関係など同じようなストレスを抱えてしまう可能性があります。

さらに転職を繰り返したり適応障がいが再発したりといった事例も少なくありません。

転職先へメンタルの問題をオープンにしておくことにより、業務時間や仕事内容、作業量を調整するなど、配慮してもらえるケースがあるので、メリット・デメリット考慮し、判断しましょう。

エージェントへ伝えるべきか

転職エージェントを利用する場合は、適応障がいであるとエージェントへ伝えたほうがいいでしょう。

転職をする時、メンタルの問題に関して自分からは伝えづらいものです。しかし、転職エージェントに伝えておけば、代理で会社に伝えてもらえます。また、オープンにすべきかを悩んでいる場合も、その判断についてアドバイスを得られる場合もあるでしょう。

ただ精神の病気があることで、エージェントの判断で、紹介してもらえる仕事先が限られてしまう場合もあります。

就職後の健康状態が不安なら転職活動中に会社へ伝えるべき

とはいえ、メンタルの問題について、必ずしもこちらからオープンにする義務はありません。

ただし、厚生労働省のモデル就業規則51条の解雇項目に「精神又は身体の障がいにより業務に耐えられないとき」との記載があります。

そのため、多くの企業は健康状態を踏まえて採用していることが考えられます。

「転職先で再発したら迷惑をかけるかもしれない」といった不安のある方は、伝えておくのが得策です。

参照:厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則」

適応障がいのある方が転職で失敗しないために大切な3つのポイント

現在の職場で適応障がいになり、転職を検討している方は「また再発したらどうしよう」と不安を感じてしまうものです。

適応障がいの方は、慎重に転職先を探す必要があります。ここでは、適応障がいのある方が転職で失敗しないために大切な3つのポイントを紹介します。

ストレス要因を避けられる仕事・職場を選ぶ

適応障がいのある方が転職をする際に最も重要なのは、仕事選びです。

ストレス要因となっている原因を遠ざけたり取り除いたりしない場合、何度転職をしても同じ症状が続いてしまうこともあります。

そのため、適応障がいの原因が業務内容など職場環境にある場合は、自分に適した仕事を選ぶことが大切です。

たとえば、臨機応変な対応が求められる仕事が負担だった場合、業務の流れや手順が決まっており、定型的な業務がマニュアル化されている職場への転職はおすすめです。

周囲に合わせて働くことにストレスを感じていた場合は、対人ストレスが少ない在宅ワークや自由に業務内容が調整できる仕事を選ぶとよいでしょう。

負担となっていた仕事場面を振り返ってみて、適応障がいに影響していたストレス要因を避けられる職場を選んでみてください。

就労移行支援事業所を活用する

転職活動を開始する前に就労移行支援事業所を活用するのも、失敗しないための大切なポイントです。

就労移行支援事業所とは、企業に勤めたい障がいのある方が転職に必要なスキルを習得したり、知識を高めたりできる場所を指します。

下記は就労移行支援事業所で受けられるサポートの例です。

  • ・職業訓練
  • ・面接対策
  • ・履歴書の添削
  • ・職場実習の機会の提供
  • ・就職サポート
  • ・職場定着サポート

見学や体験も受け付けているため、気軽に問い合わせてみるとよいでしょう。

主治医に確認をとる

転職活動を始めたいと思った時は、主治医に相談してから開始することが望ましいです。

症状がよくなっていない時期に焦って転職をすると、本来のパフォーマンスが発揮できず、かえって症状が悪化してしまうケースがあるためです。

自信を失ってしまったり、再び休職を余儀なくされたりする可能性もあります。

メンタルの症状は、自分自身からは見えづらいこともよくあります。

「治ったにちがいない」「もう大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、主治医に相談してから転職活動を始めるようにしましょう。

適応障がいの方が転職後の再発を防ぐ方法

適応障がいは、再発を繰り返すこともあります。

転職後は、できれば再発することなく安定した日常を送りたいものです。ここからは、転職後の再発を防ぐ方法について解説します。

全か無か思考(ゼロイチ思考)にとらわれない

「全か無か思考」は、ゼロイチ思考としても知られており、「完全にできるか、全くできないか」といった両極端な見方によって物事を判断してしまう考え方です。

そのような完璧主義的な思考パターンは、適応障がいにも影響してしまうことがあります。

仕事中の小さな失敗でも「自分はダメな人間だ」と思い、激しく落ち込む傾向にあります。

再発を繰り返さないためには、「全か無か思考」にとらわれないことが大切です。

困ったことは話しやすい相手に相談をする

困った出来事があった場合、上司や同僚など話しやすい相手に相談をすることも大切です。

一人で全ての悩みを抱え込んでしまうと、ストレスが蓄積されて大きくなっていき、やがて適応障がいの要因になってしまうこともあります。

大きなストレスを放置して溜め込むと、再発する可能性が高くなります。些細な問題であっても、早い段階で相談するようにしましょう。

周囲の人と相談できる関係性を構築するために、日ごろのコミュニケーションも積極的にとっていくと良いでしょう。

昇進や部署異動など環境変化のタイミングには特に注意する

転職後に昇進や部署異動といった出来事があった時など、環境変化のタイミングには特に注意する必要があります。

部署異動は周囲の人間関係や業務内容がリセットされるため、環境が大きく変化します。人間にとって、環境の変化は大きなストレス要因になります。

たとえ昇進のように喜ばしい出来事であっても、責任を強く感じてストレスが生じることもあるでしょう。

職場での環境が変わる時は、ストレスを感じやすい時期と考えられるため、不安を溜め込まない工夫が必要です。普段以上に生活リズムに気をつけ、一人で抱え込まず、周囲に頼ったり信頼できる人に相談したりしましょう。

適応障がいのある方が利用できる専門機関

適応障がいのある方が転職活動を行う際、頼りになる専門機関が複数あります。

ここでは、適応障がいのある方にとって転職活動の助けとなる2つの専門機関を紹介します。

ハローワーク

ハローワークには、「障がい者専門窓口」が設けられています。

障がいのある方が就職を希望される際に、専門的な知識を持つ担当者が相談に応じてくれるため心強いでしょう。

また適応障がいになり仕事を辞めた・転職をすると決めた方にもおすすめです。

適応障がいになる要因となった部分も含めて相談にのってもらえるため、適切な職場を探す協力をしてくれます。

ハローワークでは、下記のような相談にも対応してくれます。

  • ・仕事をする上で不安なこと
  • ・自分に向いている仕事が分からない
  • ・採用面接で不安に思っていること
  • ・就職後に仕事を継続できるか心配

また、仕事の探し方や履歴書の書き方のサポート、障がいのある方が対象の求人情報の提供、採用面接の同行など、様々な支援が行える体制を整えているため安心です。

参考:障がいのある求職者のみなさまへ

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障がいのある方が企業への就職を希望される際に、働く準備を整えるための支援サービスを提供している専門機関です。

就職に関する相談をはじめ、就労に必要となるスキルトレーニング、就職活動のサポートを行っています。また、就労移行支援事業所を利用して就職した場合、その事業所で、就職後の職場への定着支援を半年間無料で受けることも可能です。

最長で2年間通えるため、自分自身の適性を知りながら、焦らず自分のペースで就職に向けての準備が整えられるでしょう。

適応障がいのある方にとっては、何がストレス要因になって仕事を辞めてしまったのか、仕事での困難を乗り越えるためにはどうすれば良いのかなどの自己分析が重要です。

自己分析の協力をして、最適な仕事環境を理解する手伝いもできるのが就労移行支援事業所のメリットになります。

適応障がいのある方はストレス要因を避けて転職を成功させよう

適応障がいのある方の中には、「早く仕事復帰、社会復帰をしなければ」と焦っている方も多いのではないでしょうか。

状況によってはどうしても焦ってしまうこともありますが、適応障がいのある方にとって、ストレス要因を避ける職場選びは大変重要です。

転職をしても病状が悪化しては元も子もありません。適応障がいの要因となるストレスを避け、ご自身に合った職場へ転職しましょう。

就労移行支援事業所ココルポートを活用しよう

転職を成功させるためには就労移行支援事業所の活用をおすすめします。

適応障がいの場合、ストレス要因を避け、精神療法や薬物療法を行いつつ休息すれば、再び仕事に復帰することが可能なことも多いです。

就労移行支援のココルポートでは、適応障がいのある方が必要なスキルや知識を身につけ、就労の準備を整えるためのサポートを行っています。

ココルポートは「個別支援」にこだわって、体調・悩み・希望を利用者様一人ひとりがスタッフに相談できる体制を整えているのが特徴です。

また、訓練メニュー(プログラム)を555種類以上と豊富に用意しているため、ご自身に合ったメニューが選べます。

転職サポートに不安のある方は「ココルポートの相談・見学」から気軽にお問い合わせください。

※ココルポートの実績
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西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医

長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。


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