うつ病で転職が不利にならないためのポイントと相談できる機関を紹介 | 障がい者就労移行支援のCocorport
お問合せ受付 <フリーダイアル 0120-336-866> 9:00~18:00 日曜定休
TOP

うつ病で転職が不利にならないためのポイントと相談できる機関を紹介

うつ病のある方の中には、「転職したいけれど、病気のことを周囲に知られたくない」「病気で不利になるのではないか」と不安に思っている方は多いのではないでしょうか。

うつ病は意欲低下や睡眠障がい、不安や憂鬱などの精神的に不安定な状態が続く、精神疾患です。

今回はうつ病がそもそもどういうものかについてや、うつ病のある方が転職を成功させるためのポイント、相談できる専門機関を紹介していきます。

うつ病を抱えながらの転職活動でお悩みの方はぜひ、ご参考にしてください。

うつ病とは

うつ病は、下記の精神症状が現れます。

【精神症状の例】

  • ・気分の落ち込みが続く
  • ・物事に関心が持てない
  • ・好きな物事が楽しめない

この症状は一例で他にもさまざまな精神症状が出現します。また、下記の身体症状も出現するのが特徴です。

【身体症状の例】

  • ・眠れない
  • ・食欲がない
  • ・疲れやすい

精神症状と身体症状がしばらくつづき、日常生活に支障をきたしている場合、うつ病の可能性があります。

こころの病気を疑った場合は、自己判断せず、まず医師に相談してみることが大切です。

参照:厚生労働省「うつ病|こころの病気を知る」

うつ病は気分症の1つ

うつ病は、気分症(気分障がい)の1つです。気分症には、うつ病との鑑別が必要になる双極症(双極性障がい)もあります。

双極症は、うつ状態と躁状態をくり返す病気です。

うつ病と双極症では治療法が大きく異なるため、専門家による判断が必要となってきます。

参照:厚生労働省「双極性障がい(躁うつ病)」

うつ病の治療法

うつ病の治療は大きく分けて「休養」「薬物療法」「精神療法」の3つがあげられます。

まず1つ目の治療は「休養」です。休養とは、仕事を休職という形で一時的に休んだり、場合によっては仕事を辞めてゆっくり家で休んだりするなどして、心身ともに英気を養うことです。

症状によっては、精神科への入院という形で休養をとることも考えられます。

2つ目の治療は、「薬物療法」です。薬物療法で使われる薬は、主に抗うつ薬ですが、即効性のある薬ではありません。効果が出るまでおおむね2週間くらいかかることが多いです。

うつ病は双極症との鑑別が難しいため、治療薬がすぐに処方されないことがあります。もし、抗うつ薬が処方された場合は、主治医の指示に従って一定期間継続して服用しましょう。

そして3つ目のうつ病の治療として、精神療法が用いられる場合があります。精神療法には支持的精神療法※や、認知行動療法(一人ひとりの考え方のクセに気づき、直していく治療法)などの専門的な治療法があります。

治療を進めていくうえで不安や悩みを持つ場合は、主治医に相談するようにしましょう。

※支持的精神療法とは、本人とカウンセラーが話し合いを重ねて、困っていることや悩みを一緒に考えて、本人が持っている資質や自己治癒力をサポート(支持)することによって、適応力を上げていく治療法といえます。

参照:厚生労働省「うつ病|こころの病気を知る」

参照:厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳|3 うつ病の治療と予後」

転職活動中はうつ病について隠すべき?

転職活動において、うつ病であることを隠すべきかどうか、悩んだことのある方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

人それぞれで、隠さずに働きたい方もいれば、隠して働きたい方もいます。

今回は、隠す場合と隠さない場合、うつ病か転職先に聞かれた場合の、それぞれにおける対応と注意点をお伝えしていきます。

うつ病を隠すかは最終的に自己判断

うつ病を隠すかどうかは、最終的に自己判断です。働く前と働いている時に分けて隠すメリットとデメリットを取り上げているので、判断材料として参考にしてください。

働く前 隠す場合 隠さない場合
メリット 就職面接で健康状態を理由に不利になることがない 就職してからの部署配置や働き方など、配慮した上で採用してもらえる場合がある
デメリット 入社後に発覚した場合、マイナスな印象を持たれる可能性がある 就職面接で不利になる可能性がある

働く前の就職面接などの段階で、うつ病を隠さない場合は、「心身ともに健康な方」という条件を出している企業では不利になる可能性があります。

しかし今は調子が落ち着いているなど状況を説明できれば、採用に至り今後の働き方や会社側がしたほうが良い配慮などを事前に相談できるかもしれません。

また、うつ病であることを伝える義務はないものの、面接時などでは会社に病歴を聞かれる場合があります。その際に嘘をつくと、会社の就業規則によっては告知義務違反に当たる可能性があるため、正直に答えるべきでしょう。

次にうつ病であることを隠した場合と隠さなかった場合の、働いている時に生じるメリットとデメリットです。

働いた後 隠す場合 隠さない場合
メリット 「うつ病だから周囲から気を使われているのではないか」という心配が不要 会社に休暇や仕事配分などを配慮してもらえやすい
デメリット 調子が悪いときに配慮してもらえないため、無理をしてしまう場合がある 会社から過剰な配慮を受けて、働きにくさを感じる場合がある

うつ病を隠さないデメリットとしては、会社の方から「無理をしないように」と過剰な配慮をされたために、割り振られる仕事量が少ない場合があります。

また、重大な仕事を割り振られないことから、昇進が難しくなるケースもあるでしょう。

自分の調子や可能な仕事量を上司に相談しておくのが大切です。

対して、うつ病を隠す場合のメリットとしては、働く中で「病気のことで周囲から気を遣われているのではないか」と心配する必要がなくなることです。

デメリットとしては、症状が悪化したときに配慮を受けづらくなり、無理をしてしまうことにつながる場合があります。病気であることを周りが知らないと、よく休む人、体調管理ができない人などのようにマイナスの印象がつく可能性もあるでしょう。

オープンにするかどうかについて、「正しい答え」はありませんが、今後の転職活動や働き方に関わるため、慎重に判断することが大切です。

うつ病か聞かれた場合には隠すべきではない

もしも会社からこころの病気があるか聞かれた場合に、「ありません」などととっさに嘘をついて隠してしまうと後々トラブルにつながる場合もあります。

こちらからオープンにする義務はありませんが、会社から聞かれた場合には、正直にうつ病があることを伝えた方がよいでしょう。

ただし、病気のことを伝える場合は、あわせて「今は症状も落ち着いており、○○の業務については十分に遂行が可能です」など、メンタルの問題が業務の支障にならない範囲も伝えておくと良いでしょう。

こんなお悩みはありませんか?「自分に合った就職(復職)をしたい」「体調が安定する方法を知りたい」「コミュニケーションに自信が無い」「相談できる人がいない・場所がない」無料相談はこちらをクリック!こんなお悩みはありませんか?「自分に合った就職(復職)をしたい」「体調が安定する方法を知りたい」「コミュニケーションに自信が無い」「相談できる人がいない・場所がない」無料相談はこちらをクリック!

うつ病での休職が転職活動中にばれるのか

うつ病のために以前休職をした場合、そのことが転職活動中にばれるのではないかと心配になりますよね。

職業安定法の第5条の4では、下記のように定められています。

“「求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報(以下この条において「求職者等の個人情報」という。)を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。」”

したがって、職業差別につながるおそれがあるとして、応募者の適正・能力に関係のない事項を把握しようとしたり、身元調査などを実施したりすることは、不適切とされています。

しかし法律上では前職調査は不適切と記載があるものの、実態は企業ごとに求職者や採用者の過去の源泉徴収票をチェックしたり、SNSをチェックしている企業もあったりします。

そのため一概に休職していたことがばれるかどうかを断言することは難しく、「企業による」というのが実情でしょう。

引用:厚生労働省 職業安定法 第5条の4(求職者等の個人情報の取扱い)
参考:厚生労働省 公正な採用選考を目指して

うつ病で転職活動を繰り返す人が転職で不利にならない方法

うつ病の方は、転職活動でうつ病を理由に不利になりたくないと考えるのではないでしょうか。

そこで、うつ病で転職活動を繰り返す人が、転職で不利にならないためのポイントを3つ紹介します。

体調を安定させる

転職で不利にならないためには、まずは体調を安定させましょう。うつ病は良くなったり悪くなったりしながら、段階的に改善していきます。

体調を安定させるための、具体的な対処法は以下の通りです。

  • ・休養を十分にとること
  • ・薬物療法を受けること

薬物療法を受けている場合、元気になったからといって、自己判断で薬をやめないことが大切です。

服薬を勝手に中断してしまうと、再発してしまう恐れがあるからです。

うつ病の症状が良くならないと思い煩うのではなく、休養と治療をあわせながら、自分のペースで体調を安定させましょう。

精神障がい者保健福祉手帳の取得を検討する

うつ病であることをオープンにする場合、病気への理解がある会社への転職が必要です。その場合は、障がい者枠雇用での転職を検討するとよいでしょう。

障がい者雇用を選ぶ場合は、精神障がい者保健福祉手帳の交付が必要となってきます。

精神障がい者保健福祉手帳取得のメリットとしては、治療をしながら環境調整ができることが挙げられます。また疾患の種類や程度に応じて、様々な福祉サービスや公共料金の割引などが受けられます。

手帳の取得をする場合には、精神科担当医師による診断書が必要です。診断書はフォーマットが決められているため、各市区町村の障がい福祉課窓口で確認してください。

なお申請自体は、各市区町村の障がい福祉課窓口で可能で、家族や医療関係者等が代理で行うことも可能です。
参考:厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 精神障がい者保健福祉手帳」

一人で大きな決断をしない

うつ病の症状が強く出ている時には、一人で大きな決断をしないことが大切です。

うつ病の症状が強い時期は、視野が狭くなっている状態(心理的視野狭窄)で、冷静な考えが難しくなっている場合も考えられます。

家族や友人、主治医、自治体の障がい福祉課窓口などへ相談しながら転職活動を進めていきましょう。

うつ病のある方に向いている職場環境・職種

ここからは、うつ病のある方に向いている職場環境や職種をご紹介します。

向いている職場環境は以下の通りです。人によって合う環境は様々ですが、職場選びの参考にしてください。

  • ・しっかりとしたマニュアルがある
  • ・残業や休日出勤がない
  • ・柔軟な働き方ができる(フレックスタイムや時短勤務)
  • ・ノルマが少なくプレッシャーが少ない
  • ・一人で進められる仕事が比較的多く、人との関わりが少なくて済む

次に、うつ病のある方に向いている職種について解説していきます。

うつ病のある方に向いている職種:事務職

向いている職場環境から、うつ病の方にとって、事務職は比較的向いている職種といえます。

ノルマが比較的少なめで、マニュアルに沿って仕事を進められることが多いです。

ただし、事務職には以下のような注意点があるため事前に把握しておきましょう。

  • ・業務のペースを自分で決められないことがある
  • ・全て一人ではなく、他者と協力して業務を行っていく場合がある

うつ病のある方に向いている職種:在宅ワークでできる職種

事務職以外の職種として考えられるのは在宅ワークでできる職種です。在宅ワークの職種の例は以下の通りです。

  • ・Webライター
  • ・イラストレーター
  • ・Webデザイナー
  • ・エンジニア

在宅ワークの職種は、自分のペースで作業を進めることができ、スケジュールを自分で管理できる場合が多いです。

転職先に、在宅ワークが可能かどうか確認するようにしましょう。

また、個人事業主として在宅ワークをしたい場合は、以下の注意点を押さえておきましょう。

  • ・自分で営業しないと仕事が獲得できない
  • ・公的支援を探したり、自分で保険に入ったりする必要がある
  • ・仕事の量によって収入に差が出る

うつ病のある方が支援を受けられる機関

うつ病のある方の仕事探しにおいて、様々な支援を得られる機関があります。

それぞれの機関の特徴について解説します。

ハローワーク

ハローワークは職業紹介や休職相談、雇用保険の手続きなどを行っている公的機関です。

障がいや疾患のある方の就労を支援する窓口「専門援助部門」があります。

専門援助部門とは、適性や希望職種に応じた職業相談や紹介を受けられる窓口のことです。

精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの場合は、障がい者雇用枠を利用するかどうかの相談もできます。また、一般の求人も多くあります。

うつ病のある方は疾患を抱えていることをふまえて相談ができるため、仕事においてさまざまなアドバイスがもらえるでしょう。

地域障がい者職業センター

地域障がい者職業センターは、ハローワークと連携し、障がいのある方の専門的な職業リハビリテーションを提供し、就労をサポートする施設として各都道府県に設置されています。障がい者手帳のない方も利用できます。

うつ病のある方に合った働き方の提案や、仕事を続けるためのアドバイスを受けることができます。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障がいのある方が企業への就職を希望される際に、働く準備を整えるための支援サービスを提供している専門機関です。

就職に関する相談をはじめ、就労に必要となるスキルトレーニング、就職活動のサポートを行っています。また、就労移行支援事業所を利用して就職した場合、その事業所で、就職後の職場への定着支援を半年間無料で受けることも可能です。

最長で2年間通えるため、焦らず自分のペースで就職に向けての準備が整えられるでしょう。

面接対策や履歴書の書き方なども含めて、うつ病のある方の特性や本人の悩みに沿った働きやすい職場探しのサポートを受けられます。

参考:厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳|3 うつ病の治療と予後」

うつ病のある方は無理のない範囲で転職先を探そう

うつ病は症状がさまざまで、一人ひとりに合った働き方があります。うつ病のある方にとって自分に合った職場へ転職することはとても重要です。

一人で抱え込みすぎず、ハローワークなどの専門機関に頼るようにしてください。

仕事復帰を焦る気持ちもあると思いますが、体調を第一優先にして、無理のない範囲で仕事を探していきましょう。

うつ病の方の仕事に関する悩みはココルポートへ

就労移行支援事業所では、仕事に関する相談だけでなく、生活面も含めたサポートが得られます。

就労移行支援事業所である「ココルポート」では、個別支援に力を入れています。就労へ向けてのスキルアップだけではなく、セルフケアを身につけるための支援を行っています。

まずは「ココルポートの相談・見学」から気軽にお問い合わせしてみてください。

※ココルポートの実績
Cocorport(就労移行支援・定着支援)の就職実績及び定着実績について | 障がい者就労移行支援のCocorport

【無料】お困りごとは、何でもご相談下さい!


西原 浩司(にしはら こうじ)

医学博士(慶応義塾大学)、精神科専門医・指導医、認定産業医
長崎大学病院精神科神経科助教、日本学術振興会特別研究員、慶応義塾大学医学部助教(生物学教室)を経て、現在は沖縄県の天久台病院を中心に精神科診療に従事。
その傍ら、慶応義塾大学医学部訪問研究員としてiPS細胞をもちいた精神疾患の基礎研究を行っている。また複数大手企業の産業医として漢方や鍼灸、栄養学的な情報「心とカラダの予防医学」を目指して活動中。


こんなお困りありませんか?

以下はよくご相談いただく課題やお悩みの例になります。
ご自身にあてはまる課題やお悩みをクリックするとご提案の例が表示されますのでぜひご参考にしていただければと思います。
チャレンジすることに不安があるかもしれませんが、Cocorportは「失敗できる場」なので、ぜひいろいろなことにチャレンジしていただければと思います。

お気軽にご相談ください

土曜・休日のご相談については返信が遅くなる可能性があるので、お急ぎの場合は各Officeに直接お電話ください。

関連記事

関連アイテムはまだありません。

お電話はこちら
0120-336-866
※お電話受付時間 9:00~18:00(日曜定休)
お気軽にお問合せください!
資料請求も見学もすべて無料でご利用いただけます。
お気軽にお問合せください!

開催予定の説明会情報

Officeブログ新着情報

医療機関 ※一部抜粋